故障点評定(交流ブリッジ法、静電容量法、パルスレーダ法)

故障点評定には主に以下の4種類が使われます。

  • マーレーループ法
  • 交流ブリッジ法
  • 静電容量法
  • パルスレーダ法

前項で「マーレーループ法」を紹介したので、この項では残りの3つを扱います。

交流ブリッジ法

交流ブリッジ法は、下図のような交流ブリッジの回路を用いて線路のインピーダンスやアドミタンスを求める方法です。

上図のZはインピーダンスのことなので、交流の場合は、Z=R+jXのように複素数で表すことができます。また、平衡条件(検流計に電流が流れない状態)では対角線上のインピーダンスの積が同じになるので、Z1・Z4=Z2・Z3です。

よって、これは複素数を含む式なので、実数部分と虚数部分の連立方程式を解けば、未知のインピーダンスが求められます。

ブリッジの原理を使うあたりが前項のマーレーループ法と似ていますが、交流ブリッジでは複素数の計算が入ってくる点に注意です。

静電容量法

静電容量法は、その名の通り、静電容量を測定して故障点評定を行います。ケーブルの素材や太さなどが一定であれば、静電容量はケーブルの長さに比例するため、静電容量の測定値から故障点が判明します。

故障点で全ての相が断線しているなどの理由でマーレーループ法が使えないとき、この静電容量法が役に立ちます。つまり、マーレーループ法は地絡事故に適用できるのに対し、この静電容量測定法は断線事故に適用できます。

パルスレーダ法

パルスレーダ法は、健全相のケーブルと故障点でのサージインピーダンスの違いを利用して、故障相のケーブルの一端からパルス電圧を入力してから故障点でパルス電圧が反射して戻ってくるまでの時間を計測し、ケーブル中のパルス電圧の伝搬速度を用いて故障点を標定する方法です。

パルスレーダ法は、地絡事故と断線事故の両方に適用することができます。

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