ビル管理士試験 2019年 問125 問題と解説

 問 題     

雑用水として使用する場合の標準的な雨水処理施設における次のフローシートの( )内に入る単位装置の組合せとして、最も適当なものはどれか。

集水 → スクリーン → ( ア ) → ( イ ) → 雨水貯留槽 → 消毒装置 → 雑用水槽 → 給水

  •   ア        イ
  1. 沈砂槽      沈殿槽
  2. 流量調整槽    活性炭吸着装置
  3. 活性炭吸着装置  沈殿槽
  4. 流量調整槽    生物処理槽
  5. 沈砂槽      生物処理槽

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

雨水は工場排水などと違って比較的きれいな水といえます。よって、雑用水として使用する際にもそんなに複雑な処理を施す必要はありません。簡単にいうと、雨水に混入した葉や砂、塵(ちり)などを除去した上で消毒を行うくらいで充分です。

油分などの有機物が含まれていることはほとんどないので、活性炭吸着や生物処理は必要ないため、正解は(1)となります。

もしこれが雨水ではなくて工場排水の再利用という話なら、有機物を処理しなくてはならないので、そのフローシートは大きく変わってきます。H27年 問125がこれに当たるため、併せて確認しておいてください。

この問題の補足として、以下に雨水利用設備のフローについてもう少し詳しく紹介します(以下の工程は一例で、もっと工程を増やしたり、減らしたり、変えたりする場合もあります)。

  1. 集水装置 :屋根や屋上などに降った雨を1か所(または数か所)に集めます。
  2. スクリーン:スクリーンに雨水を通すことで、小石などの固形物を取り除きます。
  3. 沈砂槽  :スクリーンを通過した小さな固形物(砂)を沈めるための槽です。
  4. 沈殿槽  :沈砂槽と同じような槽です。沈砂槽と合わせて2段階処理とすることで、より多くの粒子を沈殿させることができます。
  5. 雨水貯留槽:固形物を取り切った雨水を溜めておく槽です。
  6. 消毒装置 :ここで微生物を殺菌したら、雨水が利用できる状態になります。
  7. 雑用水槽 :利用可能となった雨水を溜めておく槽です。

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