ビル管理士試験 2019年 問83 問題と解説

 問 題     

遮音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 床衝撃音に対する遮音等級は、値が小さいほど遮音性能が優れている。
  2. 複層壁の場合、共鳴によって音が透過することがある。
  3. 軽量床衝撃音は、床仕上げ材を柔らかくすることで軽減できる。
  4. 複数の断面仕様の異なる部材で構成される壁の透過損失は、最も透過損失の大きい構成部材の値を用いる。
  5. 重量床衝撃音は、床躯体(くたい)構造の質量や曲げ剛性を増加させることで軽減できる。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

(4)に関して、透過損失は遮音性能を示す数値で、大きいほど防音性能が高いということになります。

防音性能が良い部材と悪い部材を同時に使った壁があるとき、防音性能が高い部材の値を用いてしまうと過大評価となり、その能力を保証できません。かといって低い部材の値を用いると、保証はできるものの、本来はもっと性能が高いのに過小評価をなってしまいます。

よって、このような場合には、各部材の能力の高さや使用量の比率などを考慮して計算した総合透過損失を用いることになっています。要するに、各防音性能の平均値のようなものです(計算方法は単純な平均ではありませんが、覚える必要はないと思います)。

以上から、(4)の「最も透過損失の大きい構成部材の値を用いる」が誤りなので、これが正解となります。

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