問 題
湿り空気の状態変化に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 湿り空気を加熱すると、相対湿度は低下する。
- 湿り空気を加熱すると、露点温度は低下する。
- 湿り空気を冷却すると、比エンタルピーは低下する。
- 湿り空気を冷却すると、比容積は小さくなる。
- 湿り空気を減湿すると、湿球温度は低下する。
正解 (2)
解 説
以下の湿り空気線図(h-x線図)を使いながら、それぞれの選択肢の解説をしていきます。
(1)と(2)は湿り空気を加熱しているので、絶対湿度はそのままで乾球温度が上がります。上図では右向きの矢印となり縦軸に変動はないため、相対湿度は低下し、露点温度は変化しません。よって、(1)が正しく、(2)が誤りであることがわかります。
(3)と(4)は湿り空気を冷却しているので、絶対湿度はそのままで乾球温度が下がります。上図では左向きの矢印となり縦軸に変動しません。
(3)の比エンタルピーは、乾き空気の質量あたりの熱量を指すパラメータです。これは大体湿球温度と同じような軌跡をたどります。左向きの矢印だと湿球温度が下がるので、比エンタルピーも同様に低下します。よって、(3)は正しいです。
(4)の比容積は、乾き空気の質量あたりの湿り空気の容積を指すパラメータです。たとえば湿り空気を冷却すると比容積は小さくなり、相対湿度と比容積は直交するような形になります(厳密に直交するわけではありません)。よって、(4)も正しいです。
(5)は減湿なので、乾球温度はそのままで絶対湿度が下がります。上図では下向きの矢印となり横軸に変動しません。よって、この場合は湿球温度が下がるので、(5)も正しいです。
以上から、正解は(2)です。
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