ビル管理士試験 2019年 問50 問題と解説

 問 題     

流体力学に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 円形ダクトの圧力損失は、ダクト長さに比例し、ダクト直径に反比例する。
  2. 動圧は、速度の2乗と流体の密度に比例する。
  3. 開口部の通過流量は、開口部の面積と流量係数に比例し、圧力差の平方根に比例する。
  4. 位置圧は、高さの2乗に比例する。
  5. ダクトの形状変化に伴う圧力損失は、風速の2乗と形状抵抗係数に比例する。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

流体力学におけるエネルギー保存の法則はベルヌーイの定理と呼ばれ、以下の式で表されます。

  • ρ:密度
  • U:速度
  • P:圧力
  • g:重力加速度
  • h:高さ

この式の各項の単位は[Pa]で、第1項を動圧、第2項を静圧、第3項を位置圧と呼び、摩擦のない理想流体の流れではその合計値が一定となります。ただし、実際の流れでは摩擦による圧力損失があるため、現実的には厳密に一定とはなりません。

ちなみに、これを力学的エネルギー保存の法則と対比させると、第1項が運動エネルギー、第2項が仕事、第3項が位置エネルギーに対応するので、力学的エネルギー保存の法則を知っていればベルヌーイの定理も覚えやすいと思います。

以上から、(4)の位置圧は「高さの2乗に比例」ではなく、「高さに比例」することがわかります。

コメント