ビル管理士試験 2019年 問46 問題と解説

 問 題     

下の図は、外壁の断面図上に、冬期暖房時の壁内定常温度分布を示している。この図に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

  1. 温度分布はAとなり、壁内結露の防止のためにイに防湿層を設けることは有効である。
  2. 温度分布はBとなり、壁内結露の防止のためにウに防湿層を設けることは有効である。
  3. 温度分布はCとなり、壁内結露の防止のためにイに防湿層を設けることは有効である。
  4. 温度分布はAとなり、壁内結露の防止のためにアに防湿層を設けることは有効である。
  5. 温度分布はCとなり、壁内結露の防止のためにウに防湿層を設けることは有効である。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

断熱材は「熱を断つ材料」なので、熱伝導率が小さいです。もし熱伝導率が大きいと簡単に熱を通すことになり、室内の熱がすぐに室外に逃げてしまうことになります。

熱伝導率が小さいということは、内外の温度差が大きくなるため、図ではその勾配(傾き)が急になります。よって、温度分布は、断熱材のところの傾きが大きくなっている「C」の軌道を描きます。

また、結露が起こりやすいのは、内外の温度差が激しい断熱材の、温度が高い側の境界です。この面に防湿層を設けると、断熱材に水蒸気が入り込むのを防げるため、結露対策として有効です。

よって、本問の場合は、断熱材の温度が高い側が「ウ」の位置なので、ここに防湿層を設けるのが効果的となります。

以上から、正解は(5)です。

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