ビル管理士試験 2019年 問39 問題と解説

 問 題     

有機水銀に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 生物濃縮が起こる。
  2. 水俣(みなまた)病はメチル水銀による。
  3. 小脳性失調を認める。
  4. 水質汚濁防止法に基づく排水基準の項目に含まれる。
  5. 慢性曝露で低分子蛋白(たんぱく)尿を認める。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(1)は正しいです。有機水銀は生物濃縮を起こすため、食物連鎖の上位に立つ魚などに蓄積され、それを食べた人に中枢神経障害を及ぼします。

(2)も正しいです。有機水銀の中でもメチル水銀は特に毒性が強く、メチル水銀中毒による集団的な中枢神経障害が、水俣病という公害病です。

(3)はややマイナーな知識なのでスルーしてもよいと思いますが、これも正しい内容です。有機水銀の悪影響といえば中枢神経障害ですが、小脳性失調もその一つです。

(4)も正しいです。上記のように有機水銀は有害な物質なので、排水基準が定められています。

(5)が誤りです。(1)~(3)の解説の通り、有機水銀の慢性曝露で発生するのは中枢神経障害です。低分子蛋白尿は認められません。

低分子蛋白尿を引き起こすのは有機水銀ではなく、カドミウムです。カドミウムが腎臓に過剰に蓄積すると、尿細管に障害が起こり、蛋白尿などの症状を示します。

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