ビル管理士試験 2019年 問32 問題と解説

 問 題     

光環境と視覚に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

  1. 網膜にある杆体(かんたい)細胞は、明るいときに働きやすい。
  2. 明るい場所から暗い場所への順応を暗順応といい、およそ2分程度で順応が完了する。
  3. 杆体細胞と錐体(すいたい)細胞を比較すると、感光度は錐体細胞の方が高い。
  4. 杆体細胞と錐体細胞を比較すると、数は錐体細胞の方が多い。
  5. 視力は、照度0.1lx付近(輝度では0.01cd/m2)で大きく変化する。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(1)、(3)、(4)に関して、網膜には杆体細胞と錐体細胞の2種類の視細胞があります。

杆体細胞は感光度が高いため暗いところでよく働き、ものの形を把握するのに役立ちます。しかし、色を識別することができません(暗闇で形がわかっても色がわからないのは、そのためです)。

一方、錐体細胞は感光度が低いので明るい場所でしか働きませんが、解像力に優れ、色を判別することができます。

また、細胞の数に着目すると、色を認識する錐体細胞が数百万個であるのに対し、形を認識する杆体細胞は1億個以上あります。

上記の知識はいずれも大事な内容です。まずは「杆体細胞は形、錐体細胞は色」(杆体と形はどちらも頭文字が「か」)と覚えて、そのあと色より形を認識するほうが複雑だから、杆体細胞の数は多い…というような連想ができればよいと思います。

以上から、(1)、(3)、(4)はいずれも反対の記述になっています。

(2)も誤りの記述です。明るい場所から暗い場所への順応を暗順応といいますが、暗闇に目が慣れるのは、およそ数十分ほど掛かります。一方、暗いところから急に明るくなる(=明順応)とき、こちらは数分もあれば目が慣れます。

残る(5)が正しい記述で、正解の選択肢です。

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