ビル管理士試験 H30年 問135 問題と解説

 問 題     

大便器回りの故障の現象とその原因との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

  • (故障の現象):(原因)
  1. 便器と床面の間が濡れる:フランジ部シール材の取り付けが不良である。
  2. 汚物が満足に流れない:排水路に異物が詰まっている。
  3. 洗浄弁のハンドル部から漏水する:ハンドル押し棒部の取り付けナットがゆるんでいる。
  4. 少量の水が流れ放しである:洗浄弁のシート又はシートパッキンが損傷している。
  5. 吐水時間が短い:洗浄弁のピストンバルブのストレーナが詰まりかけている。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

この問題は出題傾向から見るとややマイナーな部類です。そのため、捨て問題にしてしまっても構わないとは思いますが、選択肢(1)~(4)は専門的知識がなくてもイメージしやすいく、また、明らかな矛盾点がないため、消去法で正解である(5)を選ぶこともできます。

…というわけで先に(1)~(4)について軽く触れます。

(1)、(3)、(4)についてはいずれも故障内容が水漏れです。シール材やナット、パッキンなど、水を封じておくべき材料が損傷しているので、水が漏れてしまうというのは原因として正しいと考えられます。

(2)は排水路が詰まっているが故に、汚物を流すことができない…というのも、事前な解釈です。これも正しい記述となっています。

すると、残る(5)が誤りとなりますが、答えを先に示すと、洗浄弁のピストンバルブのストレーナが詰まりかけている場合には、「吐水時間が長く」なります。

ピストンバルブは、大便器にて水を流した際、一定の水量が流れたことを検知して水を止めるのに使われる装置です。

水がピストンバルブのほうへ流れると、一部が網状のストレーナを通るようになっていて、その水量でバルブが反応するようになっているのですが、ストレーナが詰まっていると水が通過できないので、いつまでも規定の水量に達さないことになり、水が止まりません。

よって、洗浄弁のピストンバルブのストレーナが詰まりかけているときには、吐水時間が長くなります。完全に詰まっていたら、長くなるどころか、いつまでも吐水し続けます。

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