問 題
喫煙室において、1時間当たり15本のたばこが喫煙されている定常状態の濃度として、最も近いものは次のうちどれか。
局所換気以外の換気システムはなく局所換気により排出される空気量は200m3/hで、たばこにより発生した粉じんの80%は直接局所換気で排気されるが、残りは喫煙室全体に一様拡散し喫煙室空気として排気されるとする。
ただし、たばこ1本当たりの粉じん発生量10mg、喫煙室に侵入する空気の粉じん濃度0.05mg/m3とし、たばこ以外の粉じん発生、壁面への吸着などの影響は無視できるものとする。
- 0.15mg/m3
- 0.20mg/m3
- 0.30mg/m3
- 0.75mg/m3
- 0.80mg/m3
正解 (2)
解 説
問題文の最初に「定常状態」と書かれていますが、これは、たばこなどによって部屋の空気が汚染されるのと、換気などによって汚染された空気が排出されるののバランスがちょうど取れている状態のことをいいます。
つまり、定常状態においては汚れるペースと綺麗になるペースが全く一緒なので、その部屋の中の汚染濃度は一定となっています。
このことを式で表すと、次にようになります。
- C:室内の汚染濃度(定常状態)[mg/m3]
- C0:初期の汚染濃度(外気濃度)[mg/m3]
- M:汚染物質の発生量[mg/h]
- Q:換気量[m3/h]
上式に問題文で与えられた数値を代入していけば求めるCを計算することができます。
ひとつ注意したいのは、汚染物質の発生量Mについてです。本来の汚染物質発生量は10mg/本が15本分なので150mgですが、このうち80%は局所排気ですぐに排出されるので、部屋に残るのは150mgの20%分だけです。
以上を踏まえると、
のように計算できるので、正解は(2)となります。
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