ビル管理士試験 H29年 問53 問題と解説

 問 題     

室内気流に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 置換換気は、室温よりやや低温の空気を床面付近に低速で供給し、天井面付近で排気する方式である。
  2. コールドドラフトは、冷たい壁付近などで自然対流によって生じる下降流が原因で生じることがある。
  3. ドラフトとは不快な局部気流のことであり、風速、気流変動の大きさ、空気温度の影響を受ける。
  4. 壁面上部からの水平吹出しの空気調和方式では、冷房時に居住域に停滞域が生じて上下温度差が大きくなりやすい。
  5. 天井中央付近から下向き吹出しの空気調和方式では、冷房時に冷気が床面付近に拡散し、室上部に停滞域が生じやすい。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

まず、暖かい空気は上に向かい、冷たい空気は下へ向かうというのは最重要知識として押さえておく必要があります。

その上で(4)を見ると、壁面上部から水平に冷風を送った場合、部屋の高いところの空気が冷たくなりますが、上記の通り、冷たい空気はそのうちに下のほうに降りてきます。よって、この条件では停滞域は生じないので、これが誤りの記述です。

ちなみに、(4)の「冷房時」を「暖房時」に変えた場合、部屋の上部に温風を送り込み、上部の暖かな空気は下に降りずにそのまま留まりやすいです。よって、停滞域が生じて上下温度差が大きくなりやすいため、(4)の「冷房時」を「暖房時」に直せば正しい文章となります。

コメント