ビル管理士試験 H29年 問13 問題と解説

 問 題     

建築物衛生法に基づく特定建築物が国又は地方公共団体の公用又は公共の用に供する場合に関する次の文章の( )内に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。

特定建築物が国又は地方公共団体の公用又は公共の用に供するものである場合について、当該特定建築物の維持管理が建築物環境衛生管理基準に従って行なわれておらず、かつ、当該特定建築物内における人の健康をそこなう等環境衛生上著しく不適当な事態が存すると認めるときは、都道府県知事は、当該国若しくは地方公共団体の( ア )者に対し、その旨を通知するとともに、当該維持管理の方法の( イ )べきことを( ウ )することができる。

        ア                 イ             ウ

  1. 建築物環境衛生管理技術     提示などにより利用者にその旨を周知する  勧告
  2. 建築物環境衛生管理技術     改善その他の必要な措置を採る       助言
  3. 建築物環境衛生管理技術     改善その他の必要な措置を採る       命令
  4. 機関の長又はその委任を受けた  提示などにより利用者にその旨を周知する  助言
  5. 機関の長又はその委任を受けた  改善その他の必要な措置を採る       勧告

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

( ア )について、建築物の環境衛生の維持管理を実際的に監督するのは建築物環境衛生管理技術者ですが、当該特定建築物内を劣悪な環境にしていた場合、その責任は機関の長などにあります。

よって、都道府県知事が通知を出す相手として適切なのは、「機関の長又はその委任を受けた」者となります。

( イ )に関して、問題文の前半では「人の健康をそこなう等環境衛生上著しく不適当な事態が存する」とあります。この状態をどうにかしないといけないので、ここでは「改善その他の必要な措置を採る」を入れるのが妥当です。

( ウ )の選択肢にある「助言」、「勧告」、「命令」はどれも似たような言葉ですが、その強さが異なります。助言はただのアドバイス、勧告は強く勧めること、命令は強制力を持った言い方となります。

ここで重要知識を押さえておいてほしいのですが、都道府県知事は民間の施設に対しては「改善命令」を出すことができますが、これを公的な施設に対して出すことはできません。公的施設の場合には、「改善措置の勧告」という命令よりもやや弱い要求を出すことならできます。

よって、( ウ )には「勧告」が入ります。

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