ビル管理士試験 H28年 問99 問題と解説

 問 題     

都市ガス(13A)とLPガスの性質に関する次の文章の( )内に入る語句の組合せとして、最も適当なものはどれか。

都市ガス(13A)は、空気より( ア )、LPガスは空気より( イ )。ガス1m3を燃焼させるのに必要な空気量は、都市ガス(13A)に比べてLPガスの方が( ウ )。また、容積当たりの発熱量は、LPガスに比べて都市ガス(13A)の方が( エ )。

   ア   イ   ウ    エ

  1. 軽く  重い  多い   少ない
  2. 軽く  重い  少ない  多い
  3. 重く  軽い  多い   少ない
  4. 重く  軽い  少ない  多い
  5. 重く  軽い  少ない  少ない

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

LPガスの主成分はプロパンとn-ブタン、都市ガスの主成分はメタンです。これは最重要知識として押さえておいてください。

( ア )と( イ )について、空気の平均分子量は28.8(=分子量28のN2が8割で分子量32のO2が2割として計算)であるので、メタン(CH4)が主成分の都市ガスはこれよりも軽くなります。一方、プロパン(C3H8)やn-ブタン(C4H10)から成るLPガスは空気よりも重くなります。

よって、( ア )には「軽く」が、( イ )には「重い」が入ります。

( ウ )について、都市ガス(メタン)は炭化水素のなかでは理論空気量は低いのが特徴です。具体的には、以下の様な理論空気量となっています。

  • メタン :10.95 m3N/m3N
  • プロパン:23.8 m3N/m3N
  • n-ブタン:30.9 m3N/m3N

これは知識として押さえておいてももちろん良いのですが、燃焼の化学反応式を書くことでも大小関係がわかります。以下の化学反応式のうち、酸素(O2)の係数が多いほど、理論空気量も係数に比例して大きくなります。

よって、( ウ )は「多い」となります。

最後の( エ )について、炭化水素で比べると、炭素数が多いほど発熱量が大きいです。よって、LPガスに比べて都市ガス(13A)のほうが発熱量は少なくなるので、( エ )は「少ない」です。

具体的には、以下のような発熱量となっています。

  • メタン :46.1 [MJ/m3N]
  • プロパン:102 [MJ/m3N]
  • n-ブタン:134 [MJ/m3N]

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