ビル管理士試験 H28年 問85 問題と解説

 問 題     

夏季ピーク時における空気調和設備の節電対策に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 冷凍機の冷却水入口温度を低下させる。
  2. 空気調和機のエアフィルタを清掃する。
  3. 熱源機の熱交換器を洗浄する。
  4. ヒートポンプ屋外機の熱交換器に散水する。
  5. 冷凍機の冷水出口温度を低下させる。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

冷凍機の冷凍サイクルの中を巡っている冷媒は、真空状態に近い蒸発器内で蒸発します。このときに周囲から気化熱を奪うため、蒸発器と接している水管中の水は冷やされて冷水となります。

冷水出口を出たこの水(冷水)は部屋の空気を冷やすのに使われて、その後、ぬるい水となって冷凍機へと戻ってきます。

ここで、冷水出口温度を低く設定してしまうと、冷水の入口温度と出口温度の差が大きくなるので、冷凍機はより強く働く方向に動き、これでは節電対策とはなりません。

(5)の「低下させる」を「上昇させる」に直せば、有効な節電対策となります。


この問題の解説は上記の通りですが、吸収冷凍機の冷凍サイクルは本当によく出題されます。全体の流れをよく勉強したい場合には、H28の問68の解説を参照してください。

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