ビル管理士試験 H28年 問60 問題と解説

 問 題     

室内空気汚染物質とその発生源との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

  1. 臭気       喫煙
  2. キシレン     塗料の溶剤
  3. クリソタイル   断熱材の除去工事
  4. ラドン      土壌、岩石
  5. アスペルギルス  防虫剤

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(5)のアスペルギルスとは真菌の名前ですが、それよりも「アスペルギルス症」という疾病の名前のほうが有名かもしれません。

このアスペルギルスという真菌はどこにでも(そこらへんの空気中にも)いる真菌なので、人は普通に暮らしているだけでアスペルギルスを吸ってしまっています。ただし、その毒性が非常に弱いので、健康な人であればこれに感染したからといって症状が現れることは基本的にありません。

しかし、体調不良などにより免疫力が低下しているときは、アスペルギルス症が発症してしまうこともあります。このように、当たり前に感染はするけれど、免疫力の弱っているときだけ症状が現れるような感染症のことを、日和見感染といいます。

よって、アスペルギルスは(5)のように防虫剤が発生源というわけではないので、これが正解の選択肢となります。

ちなみに、防虫剤には有機化合物が含まれていることが多いので、防虫剤はVOC(揮発性有機化合物)の発生源といえます。

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