ビル管理士試験 H28年 問55 問題と解説

 問 題     

エアロゾル粒子とその測定粒径との組合せとして、最も適当なものは次のうちどれか。

  1. 細菌     0.01μm
  2. ウイルス   5.0μm
  3. たばこ煙   10μm
  4. 花粉(スギ)  30μm
  5. 雨滴(霧雨)  50μm

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

各々の粒子径を知っていれば当然答えられますが、ここで重要となるのは径の数値よりもむしろ、大小比較です。

エアロゾル粒子の中では、花粉はかなり大きい部類に入ります。実際のサイズとしては数十μmで、本問のような大小比較の際には花粉がよく登場するので、覚えておくと便利です。

また、主要なエアロゾル粒子の中で最も小さいのはウイルスで、次いでたばこ煙が小さいのは知識として押さえておくと良いです。

細菌(バクテリア)やダニアレルゲンなどが中程度のサイズに分類されるので、次のような大小関係が成り立ちます。

  • 花粉 > 細菌(バクテリア)、ダニアレルゲン > たばこ煙 > ウイルス

ここで選択肢を見ると、(5)の雨滴は肉眼でもはっきりと見えるので、明らかに花粉よりも大きいですし、「μm」のオーダーというより、むしろ「mm」のオーダーに近いと判断できるので、これは不適です。

(4)の花粉は上記の通り、数十μmとエアロゾル粒子の中ではかなり大きいので、30μmというのは妥当な線だといえます。

(1)と(2)について、ウイルスは最も小さいエアロゾルであるので、これが(1)の細菌よりも大きいというのはおかしいです。

実際には、選択肢中で最も小さい数値になっている(1)の「0.01μm」がウイルスの大きさとしてはちょうど良く、一方、細菌のサイズは数μmであり、(2)にある「5.0μm」がちょうどよいので、(1)と(2)は反対になっています。つまり、(1)も(2)も誤りです。

(3)のたばこ煙については正確な粒径を知らなくても、たばこ煙がPM2.5の原因となることを知っていれば、少なくとも2.5μm以下なので、(3)の「10μm」が誤りであると判断することができます。

ちなみに、たばこ煙は上記の通り細菌(数μm)とウイルス(0.01μm)の間に位置するので、実際には0.1μmくらいの大きさとなります。

以上より、(4)だけが適切なので、これが正解となります。

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