ビル管理士試験 H28年 問54 問題と解説

 問 題     

東京都における建築物環境衛生管理基準に関わる空気環境の測定結果に関する次の文章の内容を表す項目として、最も適当なものはどれか。

建築物衛生法施行時以降、平成10年度までの不適率は10~20%であったが、近年は30%前後で推移しており、不適率が漸増する傾向がみられる。

  1. 温度
  2. 相対湿度
  3. 二酸化炭素の含有率
  4. 浮遊粉じんの量
  5. 気流

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

建築物環境衛生管理基準に関わる空気環境の測定結果について、平成10年度以降で見た場合、不適率が高めのものは「相対湿度」と「二酸化炭素の含有率」の2つだけです。ほかの項目については、平成10年度以降に関しては20年間以上ずっと高い達成率(不適率が数%以下)で推移しています。

相対湿度の基準は「40%以上70%以下」ですが、やはり冬になると相対湿度が下がり、40%を下回りやすいです。不適率は30~40%ほどを推移しています。長期的に見たときに良くなってきているわけでも悪くなっているわけでもなく、この範囲で上がったり下がったりしています。

一方、二酸化炭素の含有率については、問題文の記述の通りです。平成10年度までは10%代だった不適率が、最近は30%くらいまで上がってきています。この原因として考えられるのは、以下のようなことが挙げられます。

  • 平成10年度以前に比べてビルの気密性が高くなっている(自然換気が期待できない)
  • ビル内の人口密度が高く、呼吸によりCO2濃度が上がる

上記のどちらにしても、充分な換気が行えていないことが課題となります。

以上により、(3)が正解となります。

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