問 題
事務所建築物内の次の場所の組合せのうち、JISの照明基準総則に定める事務所の維持照度の推奨値として、イの値がアの値より高いものはどれか。
ア イ
- 会議室 化粧室
- エレベーターホール エレベーター
- 製図室 印刷室
- 応接室 書庫
- 廊下 階段
解 説
JIS Z 9110を参照すれば各々の場所での照度基準の数値が載っています。これを見て比べていけば答えはすぐに出るのですが、会議室の基準はいくつで、書庫の基準はいくつで…と、全て覚えるのはあまり現実的ではありません。
そこで、それぞれの選択肢にある2つの場所のどちらがより明るさを必要とするかを考えるのが良いと思います。
(1)なら、会議室では資料を読んだりメモを書いたりするので、相応の明るさが必要です。一方の化粧室は、文字を読んだり書いたりする必要はないので、暗いと困りますが、そこまで明るくなくても大丈夫です。
よって、会議室のほうが化粧室よりも高い照度基準になっているはずです。
(2)は、エレベーターホールでは、各階に何があるのかの案内表示があるので、ある程度の明るさが必要です。一方、エレベーターに乗ってしまえば、階数のボタンを押すくらいなので、数字が読めないほど暗くなければ問題ありません。
よって、エレベーターホールのほうがエレベーターよりも高い照度基準になっているはずです。
(3)なら、製図室は設計図を描くなど細かい作業をする場所なので、かなりの明るさが求められそうです。一方の印刷室はそうでもないので、製図室のほうが印刷室よりも高い照度基準になっているはずです。
(4)は、応接室はお客さんを通す部屋なので、あまり暗いのも印象が良くありませんし、資料を見ながら打ち合わせをすることなども往々にしてあるので、ある程度の明るさが必要です。
一方、書庫は本を貯蔵する場所なので、照度は背表紙のタイトルが読める程度で足ります。書庫は本を読む場所ではなく、本を置いておくための部屋であることに注意してください。
(5)について、階段が暗いと転倒や転落のおそれがあるので、ここでは安全性の観点から相応の明るさが求められます。一方の廊下も暗いと危ないですが、その危険性は階段ほどではないので、照度の基準値も階段よりは低くなります。
コメント