ビル管理士試験 H24年 問63 問題と解説

 問 題     

湿り空気線図上に示した空気の状態変化の三つのプロセスとその加湿装置との組合せとして、最も適当なものは次のうちどれか。

  水加湿 温水加湿 蒸気加湿

  1.  1   2    3
  2.  1   3    2
  3.  2   3    1
  4.  3   1    2
  5.  3   2    1

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

蒸気加湿と水加湿の区別は何度か出題されているので、知っておいたほうが良いと思います。

蒸気加湿の場合は、蒸気を直接噴霧するので、単純に絶対湿度が上がります。後述の気化式加湿とは異なり状態変化を伴わないので、気化熱(潜熱)について考慮する必要はありません。

ただし、蒸気それ自体が空気よりも高温であるため、蒸気加湿によってわずかに部屋の乾球温度が上昇します。よって、これを空気線図上で図示する場合、矢印の向きは真上を少しだけ右に傾けた方向(矢印1)となります。

水加湿の場合は、水を水蒸気に変えることで空気中の湿度を上げます。水が水蒸気に状態変化する際には空気中から気化熱が奪われるので、乾球温度は下がります。これを言い換えると、顕熱を失って乾球温度が下がる一方で、潜熱を得て湿度(絶対湿度・相対湿度)が上がっています。

このとき、失った顕熱と得た潜熱は同量であるため、湿球温度は動きません。つまり、水加湿の場合は湿球温度がそのままで相対湿度が上がっていく方向(矢印3)に動きます。

温水加湿については、水加湿と蒸気加湿との中間の軌跡(矢印2)を描きます。

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