問 題
給水設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 小学校における1日当たりの設計給水量は、70~100L/人である。
- 受水槽の有効容量は、一般に1日使用水量の1/2程度である。
- 一般水栓の最低必要水圧は、30kPaである。
- 給水配管の管径は、管内の流速が2.0m/s以下となるように選定する。
- 高層ホテルの上限給水圧力は、0.7MPaである。
正解 (5)
解 説
この問題は、いずれの選択肢も頻出なので、その内容を正確に押さえておきたいところです。
(1)で、各施設の設計給水量は次のようになっています。誤りの選択肢として出題される場合は、極端に数値が異なるはずなので、下記の数値は大まかに把握しておけば大丈夫です。
- 病院 :1500~3500 L/床
- ホテルの客室:350~450 L/床
- 集合住宅 :200~350 L/人
- 学校 :70~100 L/人
- 事務所・工場:60~100 L/人
- 事務所(節水):40~60 L/人
- 社員食堂 :25~50 L/食
- デパート :15~30 L/m2
(1)は小学校なので、上記の「学校」を参照すればよく、70~100 L/人で正しい記述であると判断できます。
(2)も記述の通りです。受水槽・高置水槽の有効容量は、それぞれ次の通りとなります。
- 受水槽の有効容量 :1日最大使用水量の1/2程度
- 高置水槽の有効容量:1日最大使用水量の1/10程度
(3)も正しいです。以下に、代表的な器具の必要水圧を記載します。
- 大便器洗浄弁 :70kPa
- 小便器洗浄弁 :70kPa
- ガス瞬間湯沸し器:40kPa
- 一般水栓 :30kPa
(4)も正しい記述です。水圧が管に与えるダメージを抑えるために、給水配管内の流速が最大で2.0m/s以下となるような管径のものを選ぶのが適切です。ちなみに、実際には、給水配管内の流速は一般に0.9~1.2m/sくらいです。
(5)で、高層建築物では、1箇所から給水を行おうとすると、低い階層での水圧が高くなってしまいます。そこで、圧力を抑えるために上下の系統分けを行うのが一般的で、この系統分けのことをゾーニングといいます。
ゾーニングをした際の圧力の上限値はどのような建築物かによって大きく2つに分かれます。いずれも高層建築物での話ですが、今回はホテルが出題されています。ほかの建築物が出題されることもあるので、以下に示す建築物と圧力の数値はセットで押さえたい知識です。
- 事務所・商業施設:0.5MPa以下
- ホテル・住宅 :0.3MPa以下
以上から、(5)の「0.7MPa」が誤りで、正しくは「0.3MPa」となります。
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