ビル管理士試験 2021年 問99 問題と解説

　問 題　　　　　

電気及び電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. 同一定格の電力では、同一電流値であれば交流のピーク電圧値は、直流に比べて高い。
2. 建築設備に電力を送るケーブルの許容電流値は、配線用遮断器の定格電流値より小さくする。
3. 電動機の起動時に過電流が流れて異常を起こさないために、スターデルタ起動方式が用いられる。
4. 電力は、電圧と電流の積に比例する。
5. 地域マイクログリッドとは、自然エネルギー発電を組み合わせ、地域の電力需要を満足する電力システムである。

　解 説　　　　　

(2)に関して、配線用遮断器は、異常電流を検出したらその場で電流を遮断し、正常な部分に悪影響を及ぼすのを防ぎます。定格電流値というのは、遮断器がこのように働く(電流を遮断する)ときの電流値のことです。

ここで、(2)の記述のように「ケーブルの許容電流値 ＜ 配線用遮断器の定格電流値」だと、ケーブルの許容電流値を超える電流が流れても遮断器が働かず、ケーブルが焼損してしまうおそれがあります。

実際には、そうなる前に遮断器を動作させないといけないので、「ケーブルの許容電流値 ＞ 配線用遮断器の定格電流値」である必要があります。

以上から、(2)の「小さく」が誤りで、正しくは「大きく」となります。