問 題
浮遊粒子の次のア~エの動力学的性質のうち、粒径が大きくなると数値が大きくなるものの組合せとして、最も適当なものはどれか。
- 終末沈降速度
- 拡散係数
- 気流に平行な垂直面への沈着速度
- 粒子が気体から受ける抵抗力
- アとイ
- アとウ
- アとエ
- イとエ
- ウとエ
正解 (3)
解 説
アの終末沈降速度は、最終的に等速直線運動をしながら沈んでいるときの速度のことです。これはストークスの式に従うので、終末沈降速度は粒径の2乗に比例します。つまり粒径が大きくなると数値も大きくなるので、これは適当なものの一つです。
イについて、粒径が小さいほど粒子は散りやすく、粒径が大きいほど粒子は集まりやすいです。具体的には、球形粒子の拡散係数は粒径に反比例します。よって、粒径が大きくなると数値が小さくなります。
ウの沈着速度は、単位時間当たりの沈着量を気中濃度で除した値です。
たとえば水平ダクトにおいて粒径の大小で沈着量がどう変わるかについて考えると、粒径が大きいものは重力によってすぐに沈むので、水平面に沈着する量が増えます。一方で、粒径が小さいものはなかなか沈まず、鉛直面まで達する量が多くなることが想像できると思います。
つまり、粒径が大きくなると垂直面への沈着量が少なくなるので、鉛直面への沈着速度は小さくなります。
エについて、粒径が大きいほど表面積が大きくなるので、気体から受ける抵抗力は大きくなります。よって、粒径が大きくなると数値も大きくなるので、これは適当なものの一つです。
以上から、アとエが適当なので、正解は(3)となります。
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