ビル管理士試験 2020年 問171 問題と解説

 問 題     

殺虫剤の有効成分とその防除対象害虫との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

  1. フィプロニル     チャバネゴキブリ幼虫・成虫
  2. フェノトリン     アカイエカ幼虫
  3. プロペタンホス    トコジラミ幼虫・成虫
  4. ジクロルボス     チカイエカ成虫
  5. ピリプロキシフェン  イエバエ幼虫

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

(1)は正しいです。フィプロニルはゴキブリなどの毒餌として用いられ、幼虫にも成虫にも効果があります。ただし、ゴキブリ用の毒餌といえばホウ酸やヒドラメチルノンのほうが頻出なので、覚えるなら先にこれらを押さえておきたいです。

(2)が誤りの記述です。フェノトリンはピレスロイドの一種で、ゴキブリなどを物陰から追い出す効果(フラッシング効果)と、ノックダウン(仰転)させる効果があります。アカイエカ幼虫を相手に使われるようなものではありません。

(3)は正しいです。プロペタンホスは非対称型有機リン剤で、マイクロカプセル(MC)剤の形で使われるのが有名(頻出)です。有機リン剤は代表的な殺虫剤成分の一つなので、多くの害虫を駆除することができます。(3)にあるトコジラミ幼虫・成虫にも効果があります。

(4)も正しいです。ジクロルボスも有機リン剤の一種です。ジクロルボス、プロペタンホス、クロルピリホスメチル、プロチオホス…などなど、「ホス」を含むものはどれも有機リン剤だと思ってください。リン(燐)は英語でphosphorusなので、そこから由来して「ホス」が付いています。

よって、ジクロルボスも多くの害虫を駆除する殺虫剤成分であり、(4)にあるチカイエカ成虫にも効果があります。

(5)も正しいです。ピリプロキシフェンは幼若ホルモンとして作用することで、蛹化や成虫化を阻害します。そのため、イエバエ幼虫には有効です。一方、成虫には効果がありません。

以上から、正解は(2)です。

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