問 題
衛生害虫に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- カツオブシムシ類の幼虫は、乾燥食品や毛織物等を加害する。
- シバンムシアリガタバチの幼虫は、シバンムシの体表に寄生する。
- コナチャタテ類は、ドライフラワーなどから発生する。
- トコジラミは、シラミの仲間の吸血昆虫である。
- ノミはシラミと異なり、飢餓に耐えることができる。
解 説
この問題はやや難易度が高い部類です。ある程度選択肢を絞ったら、あとは運任せにしても仕方ないと個人的には思います。
(1)は正しいです。これは頻出事項としてしっかり覚えておきたい内容です。たとえば、「カツオブシムシ類は調理室の生ごみで発生する」などの文章が出題されたら誤りと判断してください。カツオブシムシ類は乾いたものから発生しやすいです。
(2)も正しいです。これもたびたび出題されるので知っておくべき内容です。シバンムシアリガタバチの幼虫は、シバンムシの外部寄生虫です。また、成虫は人を刺すことがあります。
(3)も正しいです。コナチャタテ類といえば、乾燥食品やドライフラワーから発生しやすいです。覚えるときは、(1)のカツオブシムシ類と同様、「乾燥」をキーワードにして記憶しておくとドライフラワー以外の言葉が出題されても対応しやすいと思います。
(4)が誤りです。トコジラミの特徴といえば、夜行性のため夜間のみ吸血するということです。また、幼虫・雌雄成虫に関わらず吸血します。
ここで(4)の記述には「吸血昆虫である」とあるので一見すると正しそうなのですが、実はトコジラミはシラミの仲間(シラミ目)ではなく、カメムシ目です。よって、(4)の記述が誤りになりますが、それぞれの害虫の目(モク)を覚えるのは大変なので、あまり気にしなくてもいいかもしれません。
(5)は正しいです。記述の通りですが、試験対策という面ではあまり重要な知識とはいえません。ただ、ノミは布団やじゅうたんなどに潜んでいて、シラミは人の頭皮などに潜むことを考えると、無生物の環境でも長くいられるノミのほうが飢餓に強いと推測することができます。
以上から、正解は(4)となります。
冒頭の繰り返しになりますが、もしこの問題が本番で出されたら、最低でも(1)と(2)は除外できるとよいと思います。できれば(3)も外して、(4)と(5)で悩む…くらいまでできれば充分だと感じます。
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