ビル管理士試験 2020年 問167 問題と解説

 問 題     

ゴキブリの防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. チャバネゴキブリでは、毒餌への喫食抵抗性を示す個体が知られている。
  2. ULV処理は、室内空間に薬剤を充満させて処理する方法である。
  3. 残留処理は、薬剤を経口的に取り込ませることをねらった処理法である。
  4. 防除に先立ち、ゴキブリの生息密度調査を行うことは重要である。
  5. ピレスロイド剤は、ゴキブリに対してフラッシング効果を示す。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

ゴキブリなどの殺虫処理には、大きく分けると以下の3種類があります。

  • 残留処理
  • 空間処理
  • 毒餌処理

残留処理は、ゴキブリがよく徘徊する通路、壁面等に薬剤を処理し、残渣に触れさせることで薬剤を経皮的に取り込ませる方法です。この薬剤には、残効性の高い有機りん化合物やピレスロイド系の薬剤を使います。

空間処理法は、部屋全体に煙状または霧状の殺虫剤を撒くという処理方法です。燻煙・蒸散・ULV処理などがありますが、特によく使われるのはULV処理です。

ULVは「Ultra Low Volume」の頭文字から取っていて、直訳では「超微量」ですが、対応する日本語訳は「微量濃厚散布」となります。これは、高濃度の薬剤を少量散布するという処理方法です。

毒餌処理は、薬剤を経口的に取り込ませるような処理法です。この方法は速効性が期待できない一方で、処理の簡便さが長所となります。また、毒餌としては、ホウ酸やヒドラメチルノンを有効成分とした製剤がよく使用されています。

以上から、(3)の説明文は「残留処理」ではなく、「毒餌処理」の話になっています。

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