問 題
クリプトスポリジウム症とその病原体に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 感染した哺乳類の糞便が感染源となる。
- 大きさ4~6μmの原虫である。
- 感染すると、2~5日後に下痢や腹痛等の症状が表れる。
- 特定の環境下では、2~6カ月間感染力を維持する。
- 対策として、給水栓末端における遊離残留塩素濃度を、0.2mg/L以上に保つことが重要である。
正解 (5)
解 説
(1)は正しい記述です。そのため、感染した人や家畜の糞便は十分注意して取り扱う必要があります。
(2)も正しいです。4~6μmという数値はともかく、クリプトスポリジウム症の病原体が原虫であるというのは重要知識です。
(3)も正しいです。この文章は、クリプトスポリジウム症の症状をよく表しています。
(4)も正しい記述ですが、これはややマニアックな知識なので、スルーしてもいいと思います。クリプトスポリジウムは環境中(宿主の体外)ではオーシストという状態をとっていて、増殖できない代わりに死にづらくなります。その結果、2~6カ月程度、感染力を維持します。
(5)が誤りの記述です。クリプトスポリジウムは塩素消毒ではあまり効果がないため、遊離残留塩素濃度に関する規定は特に設けられていません。熱に弱いので、加熱するのが一般的な対策となります。また、オゾンを照射するのも有効です。
よって、正解は(5)となります。
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