問 題
微粒子が気体中を運動する場合の抵抗力に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 抵抗係数は、粒子が小さくなると、気体の分子運動の影響を受けない。
- 抵抗係数は、ストークス域ではレイノルズ数に比例する。
- 粒子の抵抗は、粒子の流体に対する相対速度の二乗に比例する。
- 粒子の抵抗は、ニュートン域ではレイノルズ数に反比例する。
- 粒子の抵抗は、粒子の体積に比例する。
正解 (3)
解 説
(1)について、粒子が小さいほど、気体の分子運動が無視できなくなってきます。
(2)について、ストークス域とは、レイノルズ数の小さい(2以下)領域です。この領域では、抵抗係数はレイノルズ数に反比例します。
ちなみに、レイノルズ数の大きい(500以上)領域をニュートン域といい、ここでは抵抗係数はレイノルズ数に無関係で、ほぼ定数となります。
また、ストークス域とニュートン域の間をアレン域と呼び、抵抗係数はレイノルズ数の平方根に反比例します。
(3)は記述の通りで、粒子の抵抗は、粒子の流体に対する相対速度の2乗に比例します。
(4)について、(2)の説明で書いた通り、ニュートン域では抵抗係数はレイノルズ数に無関係で、ほぼ定数です。よって、粒子の抵抗は、ニュートン域ではレイノルズ数の影響を受けません。
(5)で、粒子の抵抗は粒子の投影面積や流体密度に比例しますが、体積は関係ありません。
より正確には、体積が変われば投影面積が変わることも多いので、体積と粒子の抵抗が全くの無関係とはいえません。けれど、少なくとも粒子の抵抗が体積に比例するわけではないので、(5)の記述は誤りです。
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