問 題
次に掲げる複合用途の建築物に関する記述として、正しいものはどれか。
ただし、A社、B社、C法人相互に関連はない。
A社の事務所2,000m2、B社の店舗600m2、A社の事務所及びB社の店舗の共用部分300m2、B社の店舗に附属する倉庫200m2、C法人の歯科クリニック400m2である建築物
- 特定用途に供される部分の延べ面積は3,500m2で、建築物衛生法に基づく特定建築物に該当する。
- 特定用途に供される部分の延べ面積は3,200m2で、建築物衛生法に基づく特定建築物に該当する。
- 特定用途に供される部分の延べ面積は3,100m2で、建築物衛生法に基づく特定建築物に該当する。
- 特定用途に供される部分の延べ面積は2,900m2で、建築物衛生法に基づく特定建築物に該当しない。
- 特定用途に供される部分の延べ面積は2,600m2で、建築物衛生法に基づく特定建築物に該当しない。
解 説
類似の問題がたびたび出題されているので、特定建築物の代表的な例を覚えておくとともに、特定建築物でないけれど選択肢になりやすいものの代表的な例も覚えておくことをお勧めします。
特定建築物に該当するものには、事務所、店舗、旅館、図書館、美術館、博物館、興行場、遊技場、学校、集会場などがあります。
特定建築物に該当しないものには、病院、工場、寄宿舎、自然科学研究所、共同住宅、駐車場、寺院、体育館などがあります。
また、特定建築物に該当する種類の施設であっても、3,000m2未満(学校教育法第1条に規定されている学校は8,000m2未満)であれば特定建築物にはなりません。
ちなみに、学校教育法第1条に規定されている学校というのは、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、特別支援学校、高専などです。一方、規定されていない学校は、専修学校、各種学校などです。
また、面積の計算をする際には、特定用途に供される部分の面積を考えます。これは、以下の面積の合計です。
- 専ら特定用途に供される部分 (特定用途そのものの面積)
- 付随する部分の面積 (例:トイレ、廊下、階段、洗面所など)
- 付属する部分の面積 (例:百貨店の倉庫、映画館のロビー、事務所附属の駐車場など)
上記以外の用途に供される部分については面積に含めません。
以上を踏まえて、問題文の条件を見ていきます。
まず、A社の事務所とB社の店舗は、事務所や店舗として「専ら特定用途に供される部分」なのでカウントします。また、この2社の共用部分はトイレや廊下など「付随する部分」となり、B社の倉庫は「附属する部分」に該当するので、これらもカウントします。
一方、C法人の歯科クリニックは、解説の冒頭に「特定建築物に該当しないもの」の代表例として示した病院と同じ部類なので、クリニックの面積は対象外となります。
以上より、2,000+600+300+200=3,100m2なので、3,000m2以上のため、この建築物は特定建築物に該当します。
よって、正解は(3)です。

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