ビル管理士試験 2025年 問12 問題と解説

 問 題     

建築物衛生法に基づく国又は地方公共団体の用に供する特定建築物に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

  1. 国の用に供する特定建築物の使用開始時の届出は、厚生労働大臣に行う。
  2. 建築物環境衛生管理技術者を選任するよう努めなければならない。
  3. 国の用に供する特定建築物の立入検査は、都道府県知事等が行う。
  4. 建築物環境衛生管理基準に従って特定建築物の維持管理をするように努めなければならない。
  5. 都道府県知事等は、改善措置の勧告をすることができる。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(1)は誤りです。特定建築物の届出は、都道府県知事(保健所を設置している市又は特別区にあっては、市長又は区長)あてに行います。

(2)も誤りです。建築物環境衛生管理技術者の選任は努力義務ではなく義務です。そのため、「選任するよう努めなければならない」では不適切で、「選任しなければならない」とするのが正しいです。

(3)も誤りです。都道府県知事は、必要があると認めるときは特定建築物に立入検査を行うことができますが、例外的に「国又は地方公共団体の用に供する特定建築物」(=公的機関)に対しては立入検査をする権限がありません。

立入検査のように、同じ特定建築物でも公的機関か民間かでいくらか扱いが変わることがあります。この違いについては頻出なので、2023年 問14の解説などを参考に押さえておいてください。

(4)も誤りです。これも(1)と同様に、努力義務ではなく義務となります。

(5)が正しいです。これも(3)と同様、公的機関か民間かで扱いの変わる部分となります。重要事項なのでぜひ覚えておきたい知識です。

民間の施設では維持管理が不適切なときに「改善命令」を出されることがありますが、これは公的施設には適用されません。その代わり、「改善措置の勧告」という命令よりも弱い勧告が出されることがあります。

以上から、正解は(5)となります。

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