問 題
建築物における衛生的環境の確保に関する法律(以下「建築物衛生法」という。)に基づく特定建築物の延べ面積に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 地下街の地下道は、延べ面積に算入する。
- 建築物の地階に設置された公共駐車場は、延べ面積に算入する。
- 特定建築物の延べ面積の定義は、建築基準法の延べ面積の定義と同じである。
- 建築物の地階に設置された電力事業者の地下式変電所は、延べ面積に算入する。
- 店舗の地階に設置された当該店舗に附属する倉庫は、延べ面積に算入する。
正解 (5)
解 説
特定用途に供される部分の延べ面積というのは、以下の面積の合計です。
- 専ら特定用途に供される部分 (特定用途そのものの面積)
- 付随する部分の面積 (例:トイレ、廊下、階段、洗面所など)
- 付属する部分の面積 (例:百貨店の倉庫、映画館のロビー、事務所附属の駐車場など)
以上を踏まえて、選択肢を見ていきます。
(1)は誤りです。普通の道路が建築物でないのと同様、地下道はそもそも「建築物」に該当しません。特定かどうか以前の問題です。よって、これは延べ面積に含めません。
(2)も誤りです。駐車場は特定用途に該当しません。また、公共駐車場のように駐車場そのものが独立した目的で使われる場合や、独立棟の駐車場のように別の場所にある場合には、付随や付属としても扱われません。よって、今回の場合は延べ面積に含めません。
ただし、駐車そのものが目的となる「公共駐車場」ではなく、「事務所附属の駐車場」のような場合には、同じ建物内にある限りは事務所の用途に包含されていると見なされ、付属する部分の面積に含めることになります。
(3)も誤りです。細かい条件を覚える必要はないかと思いますが、特定建築物の延べ面積の算定方法は、建築基準法の定義に基づく算定方法とは異なる場合があります。
(4)も誤りです。地下式変電所は不特定多数の人が出入りする場所ではないので、特定用途ではありません。また、付随や付属とも言い難い独立した設備なので、これは延べ面積には含めません。
(5)は正しいです。店舗に付属する倉庫は「付属する部分の面積」なので、延べ面積に含めます。ちなみに、独立した倉庫の場合は延べ面積に含めません。専ら特定用途に供される部分に付属しているときだけ面積に含めます。
以上から、正解は(5)となります。
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