ビル管理士試験 2024年 問5 問題と解説

 問 題     

次の建築物のうち、建築物衛生法に基づく特定建築物に該当しないものはどれか。ただし、全て1棟の建築物とする。

  1. 延べ面積が2,000m2の事務所と、2,500m2の社員研修所との複合施設
  2. 延べ面積が8,500m2の中等教育学校
  3. 延べ面積が5,000m2の予備校
  4. 延べ面積が2,500m2の事務所と、1,000m2の事務所附属の倉庫との複合施設
  5. 延べ面積が1,000m2の店舗と、1,500m2の事務所と事務所が管理する2,500m2の自然科学系研究施設との複合施設

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

類似の問題がたびたび出題されているので、特定建築物の代表的な例を覚えておくとともに、特定建築物でないけれど選択肢になりやすいものの代表的な例も覚えておくことをお勧めします。

特定建築物に該当するものには、事務所、店舗、旅館、図書館、美術館、博物館、興行場、遊技場、学校、集会場などがあります。

特定建築物に該当しないものには、病院、工場、寄宿舎、自然科学研究所、共同住宅、駐車場、寺院、体育館などがあります。

また、特定建築物に該当する種類の施設であっても、3,000m2未満(学校教育法第1条に規定されている学校は8,000m2未満)であれば特定建築物にはなりません。

ちなみに、学校教育法第1条に規定されている学校というのは、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、特別支援学校、高専などです。一方、規定されていない学校は、専修学校、各種学校などです。

また、面積の計算をする際には、特定用途に供される部分の面積を考えます。これは、以下の面積の合計です。

  • 専ら特定用途に供される部分 (特定用途そのものの面積)
  • 付随する部分の面積 (例:トイレ、廊下、階段、洗面所など)
  • 付属する部分の面積 (例:百貨店の倉庫、映画館のロビー、事務所附属の駐車場など)

上記以外の用途に供される部分については面積に含めません。

以上を踏まえて、選択肢を見ていきます。

(1)で、社員研修所は事務所として扱われるため、(1)は全ての面積が事務所扱いとなり、延べ面積は合わせて4,500m2です。よって、3,000m2以上なので、特定建築物に該当します。

(2)で、学校は特定建築物かどうかの境が8,000m2となります。今回は8,500m2なので、特定建築物に該当します。

(3)で、予備校は学校教育法第1条に規定されている学校ではないので、特定建築物かどうかの境は3,000m2となります。よって、延べ面積が5,000m2の予備校は特定建築物に該当します。

(4)で、事務所は「専ら特定用途に供される部分」として計算に入れるのはもちろんとして、事務所附属の倉庫も「附属する部分」としてカウントすることになります。よって、(4)は合計で3,500m2となるので、特定建築物に該当します。

(5)で、上記で特定建築物に該当しないものの例として挙げた通り、自然科学系研究施設は特定建築物に該当しないので、この面積はカウントしません。よって、店舗と事務所を合わせた2,500m2で評価するので、これは特定建築物に該当しません。

以上から、正解は(5)となります。

コメント