ビル管理士試験 2024年 問37 問題と解説

 問 題     

光環境と視覚に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 明順応は暗順応よりも順応に要する時間が短い。
  2. 物体の色は、光が物体に入射し、吸収された光の分光分布によって知覚される。
  3. 視細胞のうち錐体(すいたい)は、赤、青、緑の光にそれぞれ反応する3種がある。
  4. 目が視対象物の細部を見分けることができる能力を視力という。
  5. グレアとは、視野内で過度に輝度が高い点や面が見えることによって起きる不快感や見にくさのことである。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

(1)は正しいです。明るい場所から暗い場所への順応を暗順応といいますが、暗闇に目が慣れるのは、およそ数十分ほど掛かります。一方、暗いところから急に明るくなる(=明順応)とき、こちらは数分もあれば目が慣れます。

(2)が誤りです。物体の色は、光が物体に入射し、「反射した」光の分光分布によって知覚されます。(2)にあるような「吸収された光」だと反射されないので、これだと観察者の目に光が届かず、知覚することができません。

これは物理の現象としては基礎的な内容ですが(高校物理などで習うと思います)、ビル管理士の試験としては珍しい出題です。そのため、馴染みがなければスルーしてもよい選択肢だといえます。その場合、消去法で得点できれば十分です。

(3)は正しいです。網膜にある錐体細胞には、「赤、青、緑」の光に反応する3種類の細胞があります。いわゆる「光の三原色」のことです。

(4)も正しいです。これは特に重要事項というわけではありませんが、基本的な内容で特に矛盾点もないため、正しい文章だと判断しやすいと思います。

(5)も正しいです。グレアはいわゆる「まぶしさ」のことです。より正確には、視野内で過度に輝度が高い点などが見えることによって起きる不快感や見にくさのことをいいます。

以上から、正解は(2)となります。

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