問 題
クリプトスポリジウム症に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- クリプトスポリジウム症の病原体は原虫である。
- クリプトスポリジウム症は、人獣共通感染症である。
- 地表水を水道の原水としている場合は汚染のリスクが高い。
- クリプトスポリジウム症の発症の潜伏期間は3~10日である。
- 水道におけるクリプトスポリジウムの不活化には、一般にオゾンが用いられる。
正解 (5)
解 説
(1)は正しいです。クリプトスポリジウム症の病原体は「原虫」です。余談ですが、この試験で原虫が原因となる疾患といえば、クリプトスポリジウム症とマラリアの2つを覚えておけば充分だと思います。近年の出題傾向を見ても、これら2つしか出題されていません。
(2)も正しいです。クリプトスポリジウムはヒト以外にも哺乳動物の消化管で増殖し、ヒトや哺乳動物の糞便が感染源となる人獣共通感染症です。
(3)も正しいです。(2)の通りヒトや哺乳動物の糞便が感染源となるため、地下水に比べて地表水のほうが汚染リスクが高いです。
(4)も正しいです。クリプトスポリジウム症の潜伏期間は3~10日程度であり、比較的長期間潜伏することも珍しくありません。
(5)が誤りです。クリプトスポリジウムは塩素消毒ではあまり効果がなく、不活化できません。そのため、実際にはろ過処理または紫外線照射をするのが一般的です。また、オゾンを照射するのも有効です。
(5)には「一般にオゾンが用いられる」と書かれていますが、オゾンは有効ではあるものの、一般的とは言えないため、この記述は誤りであると判断することができます。
よって、正解は(5)となります。
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