問 題
害虫や薬剤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 喫食抵抗性は、毒餌の基剤に対する喫食忌避によって発達する。
- ペストコントロールのペストとは、ネズミや害虫等の有害な生物を指す。
- 定期的で頻繁な薬剤処理は、チャバネゴキブリやチカイエカ等の薬剤抵抗性の急激な発達要因となる。
- 選択毒性とは、単位体重当たりで比較したとき、ある化合物の毒性が生物種によって異なることをいう。
- 人獣共通感染症とは、ヒトから動物ではなく、動物からヒトに病原体が伝播(でんぱ)される感染症を指す。
正解 (5)
解 説
(1)は正しいです。ちなみに、喫食抵抗性をもつ代表的な害虫として、チャバネゴキブリが挙げられます。
(2)も正しいです。ペストコントロールとは、害虫対策として行う防除のことです。この「ペスト(pest)」とは、ネズミや害虫などの有害な生物を指します。
(3)も正しいです。同じ種類の薬剤を頻繁に繰り返し用いると、害虫が薬剤抵抗性を獲得しやすくなります。そうならないよう、異なる仕組みの薬剤を順番に回しながら使用するなどの工夫が重要となります。
(4)も正しいです。たとえば「殺鼠剤の選択毒性が高い」というのは、ネズミにはとても良く効くけれど、ヒトへの影響はほとんどないということです。とはいえ、実際の殺鼠剤の多くは選択毒性が低く、ヒトに対しても毒性を示します。
(5)が誤りです。人獣共通感染症とは、ヒトと動物の間で双方向に病原体が伝播される感染症を指します。
よって、正解は(5)となります。
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