問 題
消火設備に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 地球環境の問題から、現在はトリフルオロメタン(HFC-23)などがハロン代替薬剤として用いられている。
- 連結散水設備は、一般の人が操作しやすい消火設備である。
- 連結送水管設備では、高置水槽が置かれる場合、建築物の高さが70mを超える場合においてもブースターポンプは不要である。
- 屋内消火栓設備には1号消火栓と2号消火栓があり、工場・倉庫では2号消火栓が設置される。
- 各種消火器の消火能力を表す能力単位は、家庭用消火器の消火能力を「1」とした相対値で算定される。
解 説
(1)は正しいです。かつては消火剤の成分としてハロンが用いられていました。しかし、これがオゾン層破壊物質であることから、現在はトリフルオロメタン(HFC-23)などのオゾン層を破壊しない物質が、ハロンの代替薬剤として用いられています。
(2)は誤りです。連結散水設備は、消防ポンプ車が送水口に連結して送水し、散水ヘッドから放水して消火します。これは、消火活動が困難な(消防車が入りにくい)地下街などに設置されます。
そのため、消火器のように一般の人が簡単に操作できるものではなく、システムを理解した人が機器を適切に操作する必要があります。
(3)も誤りです。連結送水設備は、公設消防隊が使用する専用の設備です。高置水槽が70mを超える場所に置かれる場合は、送水できない可能性があるため、途中の階にブースターポンプを設置する必要があります。
(4)も誤りです。屋内消火栓設備のうち、1号消火栓は二人以上で操作するタイプのもので、2号消火栓は一人でも操作できるタイプのものです。そのため、消火能力は1号消火栓のほうが高いです。1号・2号と操作人数が一致していないため、注意してください。
ここで、工場や倉庫では大規模な火災が発生するおそれがあるので、消火能力の高い1号消火栓を設置しなければいけません。
(5)も誤りですが、これは消防の分野では基礎的事項ながら、試験対策としてはマイナーな知識だといえます。そのため、以下の解説を無理に覚えようとせず、参考程度に読む程度で十分だと思います。
消火器の消火能力は「A-2」や「B-5」などのように表され、Aは普通火災、Bは油火災、Cは電気火災を示します。アルファベットに続く数値は消火能力の大小を示し、たとえば、90本の木材の束を消火できたらA-1、144本の木材の束を消火できたらA-2というように決められます。
そのため、区分によって条件が異なるため、(5)の記述のように「家庭用消火器の消火能力を1」と決めているわけではありません。
以上から、正解は(1)となります。
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