ビル管理士試験 2023年 問84 問題と解説

 問 題     

騒音と振動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 不規則かつ大幅に変動する振動の表示方法として、時間率レベルが示されている。
  2. 回折減衰効果を利用した振動対策として防振溝がある。
  3. 道路交通振動に対する振動規制は、昼間より夜間の方が厳しい。
  4. 低周波数域の騒音に対する人の感度は低い。
  5. 低周波数の全身振動よりも高周波数の全身振動の方が感じやすい。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(1)は正しいです。時間率レベルとは、あるレベル以上の振動に曝露される時間の、観測時間内に占める割合をいいます。そのため、不規則かつ大幅に変動する振動のレベルは、時間率レベルで表すことができます。

(2)も正しいです。防振溝は、回折減衰効果を利用した振動対策の方法です。これは、道路交通振動など建築物外からの振動対策として設けられています。ちなみに、防振溝の溝が深いほど、効果的に道路交通振動を防止することができます。

(3)も正しいです。昼間は人が活動している時間ですが、夜は静かに眠っているため、振動が気になりやすいのは夜のほうです。よって、夜間のほうが厳しく規制されます。

(4)も正しいです。騒音の感度は、多くの場合、低周波数域よりも高周波数域の騒音に対する感覚のほうが鋭いです。救急車や火災報知器の音が高い音であるのも、このような理由によるものです。

(5)が誤りです。振動の感度は騒音の場合とは反対で、高周波数域よりも低周波数域の振動に対する感覚のほうが鋭いです。電車やトラック、工事現場などが低周波の発生源となりやすく、人によっては不快感や圧迫感を覚えます。

よって、(5)の記述は反対なので、正解は(5)となります。

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