ビル管理士試験 2022年 問68 問題と解説

 問 題     

空気調和設備の各種熱源方式の特徴に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. コージェネレーション方式は、電力需要を主として運転することにより最も高いエネルギー利用効率が得られる。
  2. ガスエンジンヒートポンプ方式は、エンジン排熱を有効利用することができるため、寒冷地における暖房熱源に適している。
  3. 蓄熱システムは、電力負荷平準化や熱源装置容量削減に効果がある。
  4. 水熱源方式のヒートポンプは、地下水や下水熱等の未利用エネルギー利用に適している。
  5. 地域冷暖房システムは、地域での熱源集約化や集中管理化のメリットがある。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

(1)に関して、コージェネレーションとは、燃料の燃焼などによって発電すると同時に、燃焼排熱を空気調和や給湯などに利用することで、総合的に高いエネルギー利用効率を得るというエネルギー供給システムのことです。

発電だけでは30~40%のエネルギー利用効率ですが、熱利用をうまく合わせることができれば70~80%程度まで効率が上がります。よって、高いエネルギー利用効率を得るためには、燃焼排熱の有効活用が重要となります。

ここで、(1)にあるように電力需要を主として運転した場合、排熱が余ってしまって空気調和やその他の熱需要に追従できないおそれがあります。効率を上げたいなら、電力需要ではなく熱需要を中心に考えることが重要です。

以上から、(1)の記述が誤りなので、これが正解となります。

この問題では、ほかの選択肢の記述もどれも重要なので、併せて押さえておいてください。

 

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