ビル管理士試験 2022年 問63 問題と解説

 問 題     

個別方式の空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 水熱源ヒートポンプ方式のパッケージ型空調機は、圧縮機を内蔵するため騒音源として注意が必要である。
  2. 分散設置型空気熱源ヒートポンプ方式には、電動のヒートポンプ(EHP)の他に、ガスエンジン駆動のヒートポンプ(GHP)がある。
  3. ビル用マルチパッケージとは、1台の室外機に複数の室内機を接続するタイプである。
  4. ビル用マルチパッケージには、同一室外機系統でも室内機ごとに冷暖房が選択できる冷暖房同時型というタイプがある。
  5. 空気熱源ヒートポンプは、冷房時にデフロスト運転(除霜運転)による効率低下が発生することがある。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(5)に関して、「除霜」という言葉からも予想しやすいですが、デフロスト運転(除霜運転)を行う必要があるのは、外が寒くて霜が降りる時期(主に冬)です。つまり、デフロスト運転(除霜運転)による効率低下が発生するのは、「冷房時」ではなく「暖房時」となります。

外が寒い日に空気熱源ヒートポンプを暖房運転させると、室外機の熱交換器に霜が付着し、熱交換効率が低下します。そのため、この霜を溶かして除去するのが「デフロスト運転(除霜運転)」です。

しかし、デフロスト運転(除霜運転)を行うためにはある程度のエネルギーを消費するので、結果的に暖房効率が少し下がります(もちろん、これを行わずに霜を付着させたまま運転するよりはマシです)。

以上から、正解は(5)となります。

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