問 題
空調熱負荷に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 照明による発熱負荷は、顕熱負荷である。
- ダクト通過熱負荷は、一般に潜熱負荷を無視する。
- 送風機による負荷は、一般に暖房時には無視する。
- 外気負荷には、顕熱負荷と潜熱負荷がある。
- 人体による発熱負荷では、一般に潜熱負荷は無視する。
解 説
潜熱と顕熱については、温度変化を伴う熱が顕熱、状態変化のように温度変化のない熱が潜熱です。空調機で状態変化するものといえば湿気(水と水蒸気)なので、空調機における全熱・顕熱・潜熱はそれぞれ次のように関連付けて覚えてください。
- 全熱:顕熱と潜熱
- 顕熱:温度の変化
- 潜熱:水蒸気量(蒸発・結露)の変化
これは重要事項として必ず覚えておきたい知識です。このことを前提として、各選択肢について確認していきます。
(1)は正しいです。照明器具による発熱で温度が変わることがあるため、これは顕熱負荷といえます。一方で、水蒸気を発生させるわけではないので、潜熱負荷にはなりません。
(2)も正しいです。ダクトでの熱の出入りは、主に周囲との温度差による顕熱です。ダクト内部での結露なども全くないわけではありませんが、(4)のような明確な換気ではないので、無視できる程度の影響だと考えてください。そのため、ダクト通過熱負荷は、一般的に潜熱負荷を無視します。
(3)も正しいです。送風機による負荷はやや複雑で、冷房時と暖房時で考え方が異なります。
冷房時には、送風機の発熱(=顕熱)によって室内に熱が足されるので、冷房によって取り除かないといけない熱が増えます。つまり、冷房時には送風機による顕熱負荷が発生します。ちなみに、潜熱負荷は生じません。
しかし、暖房時には冷房時とは違って、この発熱は暖房が供給するべき熱を減らす方向に働きます。そのため、これはデメリットではなくメリットになるので、暖房負荷の計算時には顕熱負荷を無視するのが一般的です。なお、冷房時と同様に潜熱負荷は生じません。
(4)も正しいです。外気負荷は外気を取り入れるので、外気そのものが冷たい(もしくは暖かい)というのが顕熱の部分であり、外気に含まれる水蒸気が室内に入り込むので、水蒸気が状態変化(結露)すれば潜熱となります。よって、これは顕熱負荷と潜熱負荷の両方を含みます。
(5)が誤りです。人体による負荷について考えると、体温の熱で室内の温度を上げた場合、それは顕熱です。一方、汗が蒸発(液体から気体に変化)した場合、その気化熱は潜熱となります。よって、人体による室内発熱負荷は、顕熱負荷と潜熱負荷の両方を含みます。
よって、(5)に書かれている「一般に潜熱負荷は無視する」という部分が誤りなので、正解は(5)となります。

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