ビル管理士試験 2024年 問178 問題と解説

 問 題     

ねずみ・昆虫等の防除作業の安全管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 建築物衛生法に基づく特定建築物内における、ねずみ・昆虫等の防除では、医薬品又は医薬部外品を使用する。
  2. 薬剤の空間噴霧や狭い場所での薬剤散布を行う場合は、N95マスクを着用する。
  3. マンホール内等の酸素欠乏や硫化水素発生の恐れがある場所で作業する場合は、酸素欠乏症等防止規則に則(のっと)って行う必要がある。
  4. ネズミによるかじり被害を受けた電線は、ネズミの尿や糞(ふん)がかかると燃え出すことがある。
  5. 屋内でULV処理を行う際、煙感知器が誤作動を起こすことがある。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

(1)は正しいです。ねずみ・昆虫等の防除では、「医薬品」または「医薬部外品」として承認されている薬剤を使用することができます。

「医薬部外品」というのは、「医薬品以外の全てのもの」という意味ではなく、「医薬品ではないが特定の効果を有するもの」として、きちんと承認された製品群のことです。

(2)が誤りです。N95マスクは、PM2.5やウイルスなどの微粒子状物質を防護するためのマスクであり、気化したガスの吸引防止に使えるわけではありません。そのため、薬剤の空間噴霧や狭い場所での薬剤散布を行う際の使用は不適切です。

(3)は正しいです。酸欠や硫化水素中毒を防ぐためには、酸素欠乏症等防止規則に従うことが大事です。

(4)も正しいです。ネズミにかじられて被覆が破れた電線は、そこに尿や糞がかかるとショートして火災につながるおそれがあります。

(5)も正しいです。ULVは「Ultra Low Volume」の頭文字から取っていて、直訳では「超微量」ですが、対応する日本語訳は「微量濃厚散布」となります。これは空間処理の一種で、部屋全体に高濃度の殺虫剤を少量散布するという処理方法です。

そのため、散布した霧状の殺虫剤が煙感知器に反応して、火災報知機が誤作動するケースがしばしば見られます。

以上から、正解は(2)となります。

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