問 題
衛生動物と疾病対策に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 国内で殺虫剤抵抗性が確認されている衛生害虫は、イエバエ、蚊、ゴキブリなど多岐にわたる。
- トコジラミは、疥癬(かいせん)の流行に関係している。
- 国内では、複数の種類の蚊がウエストナイルウイルスの媒介蚊となる可能性がある。
- アシナガバチによる刺症は、アナフィラキシーショックの原因となることがある。
- マダニ類は、日本紅斑熱の媒介動物である。
正解 (2)
解 説
(1)は正しいです。殺虫剤抵抗性を獲得した衛生害虫は多く、イエバエ、蚊、ゴキブリなどをはじめとした多くの衛生害虫が報告されています。
(2)が誤りで、この記述に該当するのは「ヒゼンダニ」です。ヒゼンダニはヒトの皮下に内部寄生し、疥癬の原因となります。また、ヒゼンダニによる被害は、高齢者福祉施設や病院などで起こりやすいです。
(3)は正しいです。アカイエカやヒトスジシマカを含め、多種類の蚊がウエストナイル熱(ウエストナイルウイルス)を媒介します。
(4)も正しいです。スズメバチやアシナガバチによる刺傷は、アレルギー反応(アナフィラキシー)を引き起こす場合があります。刺症の既往歴がある人では特に注意が必要であり、重篤なアナフィラキシーショックを起こす可能性があります。
(5)も正しいです。マダニ類は重症熱性血小板減少症候群(SFTS)や日本紅斑熱を媒介します。
以上から、正解は(2)となります。
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