ビル管理士試験 2024年 問175 問題と解説

 問 題     

殺鼠剤(さっそざい)とそれに関連する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. ジフェチアロールは、第2世代の抗凝血性殺鼠剤である。
  2. シリロシドは、ユリ科植物の球根から得られる成分である。
  3. リン化亜鉛は、抗凝血性殺鼠剤である。
  4. ブロマジオロン製剤は、動物用医薬部外品として市販されている。
  5. ワルファリンは、第1世代のクマリン系殺鼠剤である。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

殺鼠剤は大きく「抗凝血性殺鼠剤」と「急性殺鼠剤」に分けられます。

抗凝血性殺鼠剤は遅効性であるため、連日摂取させることが必要となります。一方、急性殺鼠剤は1回の経口摂取でネズミを致死させることができます。

殺鼠剤の代表的な成分は次のとおりです。

【第1世代の抗凝血性殺鼠剤】

  • ワルファリン
  • フマリン

【第2世代の抗凝血性殺鼠剤】

  • ジフェチアロール

【急性殺鼠剤】

  • シリロシド
  • リン化亜鉛

【動物用医薬部外品】

  • ブロマジオロン製剤

以上を踏まえて、選択肢を見ていきます。

(1)は正しいです。第2世代の抗凝血性殺鼠剤といえば「ジフェチアロール」です。第2世代の抗凝血性殺鼠剤に該当する殺鼠剤は、これ1種類だけです。

(2)も正しいですが、この選択肢は気にしなくてもいいと思います。シリロシドに関する知識でいえば、代表的な急性殺鼠剤であるということを覚えたほうが有用です。

(3)が誤りです。リン化亜鉛は、(2)のシリロシドと同じく急性殺鼠剤に分類されます。

(4)は正しいです。ブロマジオロン製剤は、実際には第2世代の抗凝血性殺鼠剤であるものの、防除用医薬部外品として承認されていないため、この試験では「第2世代の抗凝血性殺鼠剤」という扱いではなく「動物用医薬部外品」という呼び方で扱われます。

ブロマジオロン製剤に関して押さえておきたい知識が2点あります。まずは、上記の通り「動物用医薬部外品」である点です。そして、動物用医薬部外品なので(防除用医薬部外品でないので)、建築物衛生法に基づく特定建築物内で使用できないという点です。

(5)も正しいです。ワルファリンは代表的な第1世代の抗凝血性殺鼠剤です。ちなみに、あまり重要ではありませんが、抗凝血性殺鼠剤はワルファリンに限らず全てクマリン系です。

以上から、正解は(3)となります。

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