問 題
殺鼠剤(さっそざい)とそれに関連する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ジフェチアロールは、第2世代の抗凝血性殺鼠剤である。
- シリロシドは、ユリ科植物の球根から得られる成分である。
- リン化亜鉛は、抗凝血性殺鼠剤である。
- ブロマジオロン製剤は、動物用医薬部外品として市販されている。
- ワルファリンは、第1世代のクマリン系殺鼠剤である。
解 説
殺鼠剤は大きく「抗凝血性殺鼠剤」と「急性殺鼠剤」に分けられます。
抗凝血性殺鼠剤は遅効性であるため、連日摂取させることが必要となります。一方、急性殺鼠剤は1回の経口摂取でネズミを致死させることができます。
殺鼠剤の代表的な成分は次のとおりです。
【第1世代の抗凝血性殺鼠剤】
- ワルファリン
- フマリン
【第2世代の抗凝血性殺鼠剤】
- ジフェチアロール
【急性殺鼠剤】
- シリロシド
- リン化亜鉛
【動物用医薬部外品】
- ブロマジオロン製剤
以上を踏まえて、選択肢を見ていきます。
(1)は正しいです。第2世代の抗凝血性殺鼠剤といえば「ジフェチアロール」です。第2世代の抗凝血性殺鼠剤に該当する殺鼠剤は、これ1種類だけです。
(2)も正しいですが、この選択肢は気にしなくてもいいと思います。シリロシドに関する知識でいえば、代表的な急性殺鼠剤であるということを覚えたほうが有用です。
(3)が誤りです。リン化亜鉛は、(2)のシリロシドと同じく急性殺鼠剤に分類されます。
(4)は正しいです。ブロマジオロン製剤は、実際には第2世代の抗凝血性殺鼠剤であるものの、防除用医薬部外品として承認されていないため、この試験では「第2世代の抗凝血性殺鼠剤」という扱いではなく「動物用医薬部外品」という呼び方で扱われます。
ブロマジオロン製剤に関して押さえておきたい知識が2点あります。まずは、上記の通り「動物用医薬部外品」である点です。そして、動物用医薬部外品なので(防除用医薬部外品でないので)、建築物衛生法に基づく特定建築物内で使用できないという点です。
(5)も正しいです。ワルファリンは代表的な第1世代の抗凝血性殺鼠剤です。ちなみに、あまり重要ではありませんが、抗凝血性殺鼠剤はワルファリンに限らず全てクマリン系です。
以上から、正解は(3)となります。
コメント