ビル管理士試験 2024年 問174 問題と解説

 問 題     

ネズミの生態や防除に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

  1. 床が濡(ぬ)れていたり汚れていたりすると、ネズミは粘着トラップにかかりにくい。
  2. 殺鼠剤(さっそざい)は、経皮的にネズミの体内に取り込ませることを目的としている。
  3. 室内で圧殺式トラップを設置する場合には、毒餌皿に入れる。
  4. 餌を断つことを目的とした食物残滓(ざんさ)管理により、ネズミの防除は達成可能である。
  5. ネズミの体の脂と汚れで壁面や配管等に残った黒い跡を、ローチスポットと呼ぶ。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

(1)は正しいです。床が濡れていたり汚れていたりすると、粘着トラップの粘着力が大きく低下します。また、また、床が濡れているとネズミがその場所を回避しやすく、粘着トラップを踏まない可能性が高まります。

(2)は誤りです。殺鼠剤の剤型には、固形剤・粉剤・液剤がありますが、いずれも食毒剤なので、ネズミが喫食して初めて効果が出ます。よって、「経皮的」ではなく「経口的」な取り込みです。

(3)も誤りです。圧殺式トラップは、ネズミが餌に近づいたところをバネで挟む仕組みの捕獲・捕殺器です。文字通り圧殺するのが目的なので、おびき寄せるための餌を毒餌とする必要はありません。

(4)も誤りです。ネズミの防除は、餌を断つこと、巣を作らせないこと、通路を遮断すること、の3点が重要です。(4)に書かれているのはこのうちの一つなので、効果的ではありますが、それだけでネズミの防除が達成可能になるというのは言い過ぎです。

(5)も誤りです。ローチスポットとは、ゴキブリの潜伏場所や歩く場所における排泄物による汚れのことをいいます。

一方で、ネズミが活動した際に残す証跡のうち、糞、尿、毛、足跡、かじり跡をラットサインと呼びます。ラットサインの中でも、ネズミのこすり跡のことを特にラブサインと呼んでいます。

以上から、正解は(1)です。

コメント