問 題
薬剤とその特徴や効力、製剤との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- メトフルトリン 常温揮散製剤
- ジクロルボス 食毒剤
- ブロフラニリド 有機リン剤などに対する抵抗性を示す集団への対策
- フェノトリン ULV処理専用の水性乳剤
- エトフェンプロックス ピレスロイド様化合物
正解 (2)
解 説
前問に続き、本問もどの選択肢もややマイナーな知識が問われています。そのため、捨て問題とまでは言いませんが、まだ勉強不足の方は後回しにして、ほかの知識を覚えることを優先してよいと思います。
(1)は正しいです。メトフルトリンはピレスロイド系の一種で、常温でも揮散しやすく、蚊取りマットなどの空間用虫よけとして利用されます。
(2)が誤りです。ジクロルボスは、樹脂蒸散剤の成分として挙げられる代表例です。樹脂蒸散剤は、密閉性が保たれている空間の成虫防除に効果を発揮する薬剤で、チョウバエ類対策などに使われます。
(3)は正しいです。ブロフラニリドは、既存の各種薬剤(有機リン剤、ピレスロイドなど)に抵抗性を示す集団に対しても有効性を示す殺虫剤です。
(4)も正しいです。フェノトリンはピレスロイドの一種で、ULV処理専用の水性乳剤です。
ULVは「Ultra Low Volume」の頭文字から取っていて、直訳では「超微量」ですが、対応する日本語訳は「微量濃厚散布」となります。これは空間処理の一種で、部屋全体に高濃度の殺虫剤を少量散布するという処理方法です。
(5)も正しいです。エトフェンプロックスはピレスロイド様化合物に分類されます。ピレスロイドとは構造的に異なりますが、似たような効果を発揮します。
以上から、正解は(2)です。
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