問 題
ダニの防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- イエダニやワクモの防除では、宿主動物の駆除や侵入防止対策などが必要である。
- ヒトの野外活動時の忌避剤使用は、マダニ類に有効である。
- ケナガコナダニの対策では、乾燥状態を保つことが重要である。
- ヒョウヒダニ類の対策では、殺虫剤感受性が低いことなどから、殺虫剤処理は第一選択肢とはならない。
- フタトゲチマダニの対策では、他のダニ類やチャタテムシ類の防除が重要である。
正解 (5)
解 説
(1)は正しいです。イエダニはネズミ類に寄生して増える吸血性のダニで、ワクモは鳥に寄生するダニです。そのため、これらの防除のためには、宿主動物の駆除や侵入防止対策などが重要となります。
(2)も正しいです。マダニ類は野山などに生息していて、近づいた野生動物やヒトに寄生して吸血します。よって、ヒトの野外活動時の忌避剤使用は、マダニ類に有効だといえます。
(3)も正しいです。ケナガコナダニは、保存食品や畳などから発生する屋内塵性ダニです。長時間の乾燥には弱く、温度25℃以上で湿度60%以上という条件を満たす場所を好みます。よって、ケナガコナダニの対策には、乾燥状態を保つことが重要となります。
(4)も正しいです。ヒョウヒダニ類は殺虫剤感受性が低いという特徴があり、殺虫剤があまり効果的ではありません。ちなみに、ツメダニ類も殺虫剤感受性が低いので、これも殺虫剤による防除は難しい場合が多くなります。
(5)が誤りです。フタトゲチマダニというマイナーな名前が挙げられていますが、名前の通りマダニ類の一種なので、マダニ類の特徴から考えればよいです。
(2)の解説の通り、マダニ類は野山などに生息しています。よって、その防除のためには、ヒトの野外活動時の忌避剤使用や、ペットの散歩後の衛生管理が重要となります。
一方で、(5)に書かれている内容はツメダニ類の話です。ツメダニ類は、他のダニやチャタテムシなどを捕食することが知られています。そのため、これらを防除することがツメダニ類の防除につながります。
以上から、正解は(5)となります。
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