ビル管理士試験 2024年 問168 問題と解説

 問 題     

ゴキブリの防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 防除を実施するにあたって、食物の管理と環境の整備は重要であるが、それだけでは発生を完全に防止することは難しい。
  2. ULV処理は、経気門的に殺虫剤を取り込ませることをねらった処理法である。
  3. 毒餌(食毒剤)を処理する際、毒餌及びその周辺にピレスロイド剤を噴霧すると駆除効果が高まる。
  4. 防除作業前のゴキブリ指数が12.0、作業後が1.2であった場合、この作業による防除率は90.0%である。
  5. フェノトリンを有効成分とするエアゾール剤を潜伏場所に吹き込むと、フラッシング効果が認められる。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

(1)は正しいです。あまりにも当たり障りない文章であり、このような選択肢が正解になることはありません。

(2)も正しいです。ULVは「Ultra Low Volume」の頭文字から取っていて、直訳では「超微量」ですが、対応する日本語訳は「微量濃厚散布」となります。これは空間処理の一種で、部屋全体に高濃度の殺虫剤を少量散布するという処理方法です。

空間処理の一種なので、経気門的に殺虫剤を取り込ませることをねらった処理法といえます。

(3)が誤りです。毒餌に殺虫剤を噴霧すると、においなどを感じとってゴキブリが毒餌を食べなくなる恐れがあります(毒餌はゴキブリを引き寄せるために良いにおいの成分が含まれていますが、殺虫剤のにおいは嫌がって離れます)。

よって、これをしてしまうと効果が下がるリスクのほうが大きいです。

(4)は正しいです。防除率とは、防除によるゴキブリの減少率のことです。算出に用いるのは防除前のゴキブリ指数と防除後のゴキブリ指数なので、以下のように計算することができます。

(5)も正しいです。フェノトリンはピレスロイドの一種で、ゴキブリなどを物陰から追い出す効果(フラッシング効果)と、ノックダウン(仰転)させる効果があります。

以上から、正解は(3)となります。

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