ビル管理士試験 2024年 問167 問題と解説

 問 題     

湯沸室内で図に示すゴキブリが捕獲された。このゴキブリの生態等に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

なお、このゴキブリ(成虫)の体長は約12mm。前胸背板にある2本の縦長で太いハの字形に見える斑紋以外は、全体に黄褐色であった。

  1. 主として屋外に生息するが、建築物内にも侵入する。
  2. 毒餌(食毒剤)に対して食抵抗性を示す集団の存在が報告されている。
  3. 日本の気候では、卵から成虫になるまでに約1年を要する。
  4. 幼虫と成虫では、餌や活動場所が異なる。
  5. 雌成虫は、卵鞘(らんしょう)を唾液などでくぼみや隙間等に固着させる。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

図のゴキブリはチャバネゴキブリです。見た目から判断してもいいですし、黄褐色というのも大きなヒントとなっています。

(1)は誤りです。チャバネゴキブリは都市型害虫であり、野外よりも屋内に生息していることが多いです。ちなみに、チャバネゴキブリは寒さに弱く、-5℃では1日も持たずに死んでしまいます。そのため、屋外での越冬はほとんど不可能です。

(2)は正しいです。チャバネゴキブリでは、毒餌への喫食抵抗性を示す個体や集団の存在が報告されています。

(3)は誤りです。マイナーな知識なので気にしなくてもいいかもしれませんが、チャバネゴキブリに関して、25℃における卵から成虫までの発育期間は、60~80日程度です。

(4)も誤りです。チャバネゴキブリに限らず、ゴキブリは集団で生息し、幼虫も成虫も同じ場所で活動します。

(5)も誤りです。クロゴキブリなどの雌は、卵鞘を唾液などでくぼみやすき間に固着させますが、チャバネゴキブリは卵鞘を固着させず、孵化のときまで身体にくっつけているのが特徴的です。

以上から、正解は(2)となります。

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