問 題
湯沸室内で図に示すゴキブリが捕獲された。このゴキブリの生態等に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
なお、このゴキブリ(成虫)の体長は約12mm。前胸背板にある2本の縦長で太いハの字形に見える斑紋以外は、全体に黄褐色であった。
- 主として屋外に生息するが、建築物内にも侵入する。
- 毒餌(食毒剤)に対して食抵抗性を示す集団の存在が報告されている。
- 日本の気候では、卵から成虫になるまでに約1年を要する。
- 幼虫と成虫では、餌や活動場所が異なる。
- 雌成虫は、卵鞘(らんしょう)を唾液などでくぼみや隙間等に固着させる。
正解 (2)
解 説
図のゴキブリはチャバネゴキブリです。見た目から判断してもいいですし、黄褐色というのも大きなヒントとなっています。
(1)は誤りです。チャバネゴキブリは都市型害虫であり、野外よりも屋内に生息していることが多いです。ちなみに、チャバネゴキブリは寒さに弱く、-5℃では1日も持たずに死んでしまいます。そのため、屋外での越冬はほとんど不可能です。
(2)は正しいです。チャバネゴキブリでは、毒餌への喫食抵抗性を示す個体や集団の存在が報告されています。
(3)は誤りです。マイナーな知識なので気にしなくてもいいかもしれませんが、チャバネゴキブリに関して、25℃における卵から成虫までの発育期間は、60~80日程度です。
(4)も誤りです。チャバネゴキブリに限らず、ゴキブリは集団で生息し、幼虫も成虫も同じ場所で活動します。
(5)も誤りです。クロゴキブリなどの雌は、卵鞘を唾液などでくぼみやすき間に固着させますが、チャバネゴキブリは卵鞘を固着させず、孵化のときまで身体にくっつけているのが特徴的です。
以上から、正解は(2)となります。
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