ビル管理士試験 2024年 問165 問題と解説

 問 題     

廃棄物処理法に関する次の文章の(  )内に入る語句の組合せとして、最も適当なものはどれか。

昭和45年の制定時に、従来の法律の衛生面から規定されていた汚物に加えて、( ア )の概念を導入して廃棄物を定義し、産業廃棄物と一般廃棄物に分類するとともに、公衆衛生の向上に加え( イ )を法の目的に追加した。

  •   ア       イ
  1. 不要物    地球環境の保全
  2. 不要物    都市の健全な発達
  3. 有害廃棄物  生活環境の保全
  4. 不要物    生活環境の保全
  5. 有害廃棄物  都市の健全な発達

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

( ア )には「不要物」か「有害廃棄物」が入りますが、直接の文章を読むと「従来の法律の衛生面から規定されていた汚物に加えて~」と書かれています。つまり、衛生面については従来から考慮されていることになるので、「有害廃棄物」は従来の「汚物」に含まれると考えられます。

そして、1970年(昭和45年)の廃棄物処理法制定時では、衛生面とは関係がない「不要物」を新たに追加して「廃棄物」として扱う…という話なので、( ア )には「不要物」を入れるのが適切です。

( イ )には「地球環境の保全」、「都市の健全な発達」、「生活環境の保全」のいずれかが入ります。

ここで、1970年(昭和45年)のタイミングでこの法律が制定された理由を考えると、それは高度経済成長期の中で環境面が蔑ろにされていることで、生活環境に悪影響が生じてきたからです。

このような背景や「廃棄物処理法」という名称から考えると、「地球環境の保全」では規模が大きすぎ、「都市の健全な発達」では経済的な発展を重視していることになり、いずれも不適切だと判断することができます。

一方、「生活環境の保全」を入れると、「汚物に加えて、不要物の概念を導入」と「公衆衛生の向上に加え生活環境の保全」が対応することとなるので、これが適切な表現である判断できます。

以上から、( ア )は「不要物」、( イ )は「生活環境の保全」となるので、正解は(4)です。

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