問 題
建築材料とその性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- アルミニウムの密度は、鋼の約1/3である。
- セメントペーストは、水とセメントを練り混ぜたものである。
- コンクリートは、鉄筋に比べて熱伝導率が低い。
- 単板積層材(LVL)は、単板を繊維方向を揃(そろ)えて積層した軸材である。
- 生木の含水率は、30%程度である。
正解 (5)
解 説
(1)は正しいです。記述の通り、アルミニウムの密度(比重)は、鋼の約1/3です。
(2)も正しいです。コンクリート、モルタル、セメントペーストの各材料の構成成分は次の通りです。
- コンクリート :砂、砂利、セメント、水を混合し、練り混ぜて固めたもの
- モルタル :砂、セメント、水を練り混ぜたものである。
- セメントペースト:セメント、水を練り混ぜたものである。
(3)も正しいです。主要な建築材料の熱伝導率の大小は重要知識として押さえておいてください。
まず、熱伝導率は金属(アルミニウムや鋼)が桁違いに大きいです。次いで大きいのは大理石やコンクリートで、それに少し劣るのが板ガラスです。その後に木材がきて、最も熱伝導率が小さい部類に硬質ウレタンフォームやグラスウールがあります。
- 金属 > 大理石、コンクリート > 板ガラス > 木材 > 硬質ウレタンフォーム、グラスウール
特に硬質ウレタンフォームやグラスウールは断熱材などに使われるので、熱伝導率が特に小さいことを覚えておくとよいかもしれません。
(4)も正しいですが、これは出題頻度から見るとマイナーな知識といえます。
(5)が誤りです。生木の含水率は、少なめに考えても50%を超えています。木の種類や部位にも寄りますが、細胞間隙にも水を含んでいるため、実際には含水率が100%を超えることも珍しくありません。
いずれにせよ、(5)の記述にある「30%程度」では低すぎるといえます。動物も植物も細胞でできているため、細胞を保つにはかなり多くの水分が必要となります。
よって、正解は(5)となります。
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