問 題
鉄骨構造とその材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 鋼材の強度は温度上昇とともに低下し、1,000℃ではほとんど零となる。
- 鉄骨構造の床には、デッキプレートなどが用いられる。
- 鉄骨構造に使用される鋼材には、形鋼、平鋼、鋼板等の種類がある。
- 鋼材は、炭素量が増すと靭性(じんせい)が向上する。
- 鉄骨構造は、部材の接合によってラーメン構造、トラス構造等に大別できる。
正解 (4)
解 説
(1)は正しいです。高温になればなるほど鋼材は柔らかくなり、1,000℃程度でドロドロになって強度がゼロとなります。
(2)も正しいです。デッキプレートは、波状の薄鋼板で、床の下地に用いられます。鉄骨構造の床には、まずデッキプレートを敷き込み、その上にコンクリートを打設する方法が一般的です。
(3)も正しいです。あまり重要事項でもありませんが、鉄骨構造に使用される鋼材には、形鋼(H形鋼やI形鋼)、平鋼(フラットバー)、鋼板(プレート)などの種類があります。
(4)が誤りです。鋼材に炭素を混ぜると、引張り強さと硬さが増しますが、もろくなるため、靭性は低下します。
なお、靭性とは、英語でtoughness(タフネス)といい、直訳すると、粘り強さ、粘さなどの意味になります。より厳密には、物質破壊に対するエネルギーを指します。
また、「硬さ」と「もろさ」は別のものなので注意してください。例えば、角砂糖は硬いですが、崩そうと思えば簡単に粉々になるので、もろいです。プリンやゼリーは柔らかいですが、力を加えてもなかなか崩れません。粘り強さがあります。
(5)は正しいです。鉄骨構造の骨組みは、部材相互の接合の仕方で、ラーメン構造やトラス構造などに分類されます。
以上から、正解は(4)となります。
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